健康診断について知りたい人のための情報サイト
知っておきたい健康診断

健康診断とは

健康診断とは

健康診断は、診察やさまざまな検査で健康状態を評価し、健康の維持や疾患の予防・早期発見に役立てるものです。別名で、「健診」「健康診査」とも呼ばれており、特定の疾患の発見を目的としたものは「検診」と呼ばれています。

ひとえに健康診断とはいえど、学校や職場のほか、地方公共団体で行われる法令により実施が義務付けられている「法廷健診」と、受診者の意思で受ける「任意健診」があります。任意の場合は、診断書の発行を目的とした一般的評価であることが多いです。

危険物・特定の化学物質などを扱う職業の従事者は、それらに応じた健康診断を定期的に受けることが義務づけられています。この健康診断は重大な職業病の発生を未然に防ぐことが目的という点で、一般的なものとは多少異なる内容。自覚症状なしに悪化する生活習慣病を早期発見するために、定期的に受けるよう法律で定められています。

健康診断
 
健康診断 国の法律で定められた法定健診。8〜15の検査項目で全身を検査する。企業健診、地方自治体の健診、妊婦健診、乳幼児健診などがある。
検診 特定の臓器に対し異常の有無を診断する。肺がん検診、胃がん検診、乳がん検診、子宮がん検診などがある。
人間ドック 自覚症状に関係なく、全身の精密検査を受ける健康診断。一般的な健康診断よりも充実している。さらに専門部位を検査する、脳ドック、心臓ドック、レディースドックなどもある。

健康診断を行える場所

健康診断を行える場所

病院

病院や診療所では、各種の健康診断が行われています。人間ドッグのサービス以外にも、労働安全衛生法で義務付けられている健康診断の振り替えとして行われる場合があります。

 

自治体

保健所では、健康診断を簡略化した基本健康診査(住民検診)を行っており、自治体によっては、健康診断受信奨励金や交通手当てを支給しています。

 

自宅

家庭で手軽に健康診断ができる検査キットが市販されているため、検査キットを郵送することで健康診断が行えます。

 

健康診断の種類

健康診断の種類

妊婦向け

「妊婦健診」は、妊婦や胎児の健康を検査するため、血液や尿、超音波検査などを行います。出産までの検査回数は14回程度が望ましいとされていますが、妊娠8週、20週、30週、36週前後の最低5回の検査は必要となっています。

検査費用は1回につき5000円〜1万円かかるものの、公的健康保険が適用しない検査もあります。そのため近年は、厚生労働省を初めとする各市町村で公的助成の見直しが行われています。

検査時期
  • ・妊娠23週まで・・・・・・・・4週に1回
  • ・妊娠24〜35週(第7〜9月末)・・・・・2週間に1回
  • ・妊娠36週(第10月末)・・・・・・・・・・・1週間に1回
  • ・予定日を越えた場合・・・・・・・・・・・・・1週間に2回
 
検査項目
○妊娠初期
血液検査(血液型ABO式、Rh式、貧血産有無、梅毒反応、B型肝炎ウイルスの抗原)
※ 貧血検査は初期・中期・末期に各1回ずつ行う。
○定期健康診査
子宮底の長さ・腹囲測定/胎児の大きさ・位置/胎児の心音の確認/体重測定/血圧測定/尿検査(糖、たん白)/浮腫みの有無
○妊娠中必要に応じて行う検査
胎児超音波検査/胎児機能検査/心電図/胸部X線撮影/肝機能・胃機能検査/骨盤X線検査/血糖値/血液凝固検査/C型肝炎ウイルス抗体検査/風疹ウイルス抗体検査/トキソプラズマ抗体検査/エイズウイルス抗体検査/クラミジア抗体検査など
 
 

乳幼児向け

母子保健法の第12条および第13条の規定により、市町村が乳幼児に対して行うものを、「乳幼児健康診査」といいます。別名で「乳幼児健康診断」「乳幼児健診」とも称されます。検査年齢は、1歳未満、1歳6ヶ月〜2歳、3歳〜4歳となります。

 

学生向け

学校の施設者は、学校保健法にもとづいて毎学年ごと定期的に健康診断を行わなければなりません。学生と同様に、職員の健康診断も行うこととなっています。大学生の場合、下記枠内の△印を省略することも可能です。

検査項目
保健検査/身長・体重/座高 △/栄養状態/脊柱の疾病および異常の有無(モアレ検査を含む)/胸部の異常の有無 △/視力 △/聴力/目の疾病および異常の有無/耳鼻咽頭疾患の有無/皮膚疾患の有無/歯および口腔の疾病および異常の有無 △/結核の有無/心臓の疾病および異常の有無(学年による)/尿 △/寄生虫卵の有無/脊椎側彎(モアレ検査ならびにX線撮影)/貧血
 

※「就学時健康診断」とは?


就学時健康診断は小学校に入学する前に行われる健康診断のことで、「就学時健診」「就健」と略されることもあります。就学する前年度の11月30日までに行われ、年明け後の1月31日までに就学先学校が各家庭に結果を通知します。市町村立小学校の普通学級や特別支援学級に就学する児童は市町村、特別支援学校に就学する児童は都道府県の教育委員会が管轄しています。


就学時健診で行われるのは、身体の疾患や知的発達の度合いなどの検査です。健常児であれば小学校の普通学級に就学しますが、心身に障害を持つ特別な支援が必要な児童の場合、障害のある児童を対象とした就学相談を受けるよう指導される場合が多いです。

 

労働者向け

労働者の健康診断は大きく分けると「一般健康診断」と「特殊健康診断」の2つあり、労働安全衛生法および労働安全衛生規則によって定められています。事業主は健康診断を行わない場合、健康診断義務違反(労働安全衛生法66)で50万円以下の罰金になります。健康診断の結果は、本人に通知し、費用は事業主の負担が原則で本人の都合で受ける場合には自己負担としても構いません。

一般健康診断 雇用時の健康診断(配置換え等の健康診断)
対象者
すべての労働者(安衛則第43条)
労働者を雇い入れた際に行う。ただし、採用前の3ヵ月以内にすべての項目について医師による健康診断が行われている場合は行う必要がなく、診断結果を証明する書面を会社に提出すればよい。
 
検索項目
既往歴及び業務歴の調査/自覚症状および他覚症状の湯有無の検査/身長、体重、視力および聴力の検査/胸部X線検査/血圧の測定/尿検査(尿中の糖およびタンパクの有無の検査)/貧血検査(赤血球数、血色素量)/肝機能検査(GOT、GPT、γ‐GTP)/血中脂質検査(総コレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪)/血糖検査(ヘモグロビンA1cを含む)/心電図検査
 
定期健康診断
対象者
すべての労働者(安衛則第44条)
常時使用する労働者を対象に、年に一回行われる。実施義務に違反すると、50万円以下の罰金が科せられる。
 
検索項目
既往歴及び業務歴の調査/自覚症状および他覚症状の有無の検査/身長、体重、視力および聴力の検査(身長は20歳以上、聴力は45歳未満だとオージオメータ以外の方法で可)/胸部X線検査およびかくたん検査(胸部X線検査で所見のない場合)/血圧の測定/貧血検査(赤血球、血色素量)/肝機能検査(GOT、GPT、γ‐GTP)/血中脂質検査(総コレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪)/血糖検査(ヘモグロビンA1cを含む)/尿検査(尿中の糖、たんぱくの有無)/心電図検査
※ 赤字は35歳を除く40歳未満
 
海外派遣労働者の健康診断
対象者
海外に6ヶ月以上派遣される労働者(安衛則第45条の2)
労働者を雇い入れた際に行う。ただし、採用前の3ヵ月以内にすべての項目について医師による健康診断が行われている場合は行う必要がなく、診断結果を証明する書面を会社に提出すればよい。
 
検索項目
既往歴及び業務歴の調査/自覚症状および他覚症状の有無/身長(20歳以上は省略可)/体重、BMI/視力/聴力(1000Hz、4000 Hzの純音を用いるオージオメータによる検査)/胸部X線検査/かくたん検査/尿検査(糖、蛋白)/貧血検査/肝機能検査/血中脂質検査/血糖検査/心電図/腹部画像検査/血液中の尿酸の検査/B型肝炎ウェルス抗体検査/血液型検査(ABO式およびRh式)/糞便塗抹検査(帰国時に限る)
※ 赤字は、医師が必要と認める場合に実施
 
結核健康診断
対象者
雇入れ、又は定期健康診断で結核の恐れがあると診断された労働者(安衛則第46条)
一般検診で結核の恐れがあると診断された労働者に対しては、おおむね6ヶ月後に健康診断を行わなければなりません。(安衛則第46条)
 
検索項目
胸部X線検査(直接または間接撮影)/かくたん検査(必要がある場合に実施)
 
給食従事者の検便
対象者
事業主は、事業場付属の食堂または炊事場における給食の業務に従事する労働者に対しては雇い入れの際または配置換えの際に検便を行わなければなりません。(安衛則第47条)
 
検索項目
検便
 
特殊健康診断

体に害を及ぼす恐れのある有害業務従事者に対する健康診断。
法令や行政指導に基づいて、所定期間ごとの受診が義務づけられています。

じん肺健康診断
対象者
じん肺法施行規則に定められた粉じん作業に従事または従事した労働者に対しては、1:就業時、2:定期、3:定期外、4:離職時に以下の項目の健康診断を行わなければなりません。(じん肺法第3条)
 
検索項目
既往歴の調査/医療診察/胸部X線検査(直接撮影)/肺機能検査/胸部らせんCT検査
 
有機溶剤健康診断
対象者
法令で定められた有機溶剤業務に従事する労働者に対しては、雇入れの際、当該業務への配置換えの際および6ヶ月以内ごとに1回定期に、次の項目の健康診断を実施しなければなりません。(有機則第29条)
 
検索項目
一般検査(尿検査・医師診察)/代謝物検査/肝機能検査/貧血検査/眼底検査
※溶剤の種類により、上記項目のいずれかを実施
 
鉛健康診断
対象者
事業者は、鉛業務(遠隔操作によって行う隔離室におけるものを除く)に常時従事する労働者に対し、雇入れの際、当該業務への配置替えの際及びその後6ヶ月以内ごとに1回、定期に健康診断を実施しなければなりません。(鉛則第53条)
 
検索項目
医師診察/血液中の鉛の量の検査/赤血球中のプロトポルフィリンの量の検査/貧血検査/尿中のデルタアミノレブリン酸の量の検査
 
電離放射線健康診断
対象者
放射線業務に従事し管理区域に立ち入る労働者に対しては、雇入れの際または当該業務への配置換えの際およびその後6ヶ月以内ごとに1回、定期に、次の項目の健康診断を実施しなければなりません。(電離則第56条)
 
検索項目
被ばく歴の有無の検査/白血球数および白血球百分率の検査/赤血球、血色素数またはヘマトクリット値の検査/白内障に関する眼の検査/皮膚(爪含む)の検査
※物質の種類により、検査の項目が異なる
 
特定化学物質健康診断
対象者
1.安衛法施行令別表第3第1号もしくは第2号に掲げる物を製造し、もしくは取り扱う業務または安衛法施行令第16号第1項各号に掲げるものを試験研究のために製造し、もしくは使用する業務(安衛法施行令第22号第1項第3号)
2.安衛法施行令第22条第2項に掲げる物を過去に製造し、または取り扱っていたことのある労働者で現に使用しているもの(安衛法施行令第22条第2項)
 
検索項目
医療診察/その他
※物質の種類により、検査の項目が異なる
 
高気圧作業健康診断
対象者
高圧室内業務または潜水業務など高気圧作業に従事する労働者に対しては、雇入れの際、当該業務への配置替えの際およびその後6ヶ月ごとに1回、定期に健康診断を実施しなければなりません。(高圧則第38条)
 
検索項目
第1次検査
既往歴および高気圧業務の調査/自覚症状または高く症状有無の検査/四肢の運動機能の検査/鼓膜および聴力の検査/血圧測定/尿糖および尿たん白の検査/肺活量の検査
第2次検査
作業条件の調査/肺換気機能検査/心電図検査/間接部X線検査(直接撮影)
※第2次検査は、1次検査の結果、医師が必要と認めた場合に受ける
 
四アルキル鉛
対象者
四アルキル鉛等業務に従事する労働者に対しては、雇入れの際、当該業務への配置替えの際およびその後、3ヶ月以内ごとに1回定期に次の項目の健康診断を実施しなければなりません。(四アルキル則第22条)
 
検索項目
神経症状または精神症状の有無の検査/血圧測定/血色素量および全血比重/尿中のコプロポルフィリンの測定(定性)
 
行政指導による健康診断 VDT健康診断
対象者
パソコン、ワープロ操作などのVDT作業に常時従事する労働者(基発第705号)
 
検索項目
医療診察/視機能検査/タッピング検査/握力検査/屈折検査
 
振動障害健康診断(一次)
対象者
振動工具、作業状況により、雇入れの際、配置替えの際および6ヶ月に1回、または1年に1回定期(冬季)に、健康診断を実施する必要があります。(基発第597号)
 
検索項目
第1次健康診断
医療診察/血圧測定/握力検査/痛覚検査/爪圧迫検査/皮膚温度測定
第2次健康診断
医療診察/心電図検査/運動機能検査/瞬間握力と60%による維持握力/つまみ力/タッピング/冷却不可
※第2次検査は、1次検査の結果、医師が必要と認めた場合に受ける
 
騒音健康診断
対象者
等価騒音レベルが85dB(A)以上になる可能性が大きい60作業場の業務に従事する労働者(基発第546号)
 
検索項目
医療診察/オージオメータ(250、500、1000、2000、8000Hz)による聴力検査
 
腰痛健康診断
対象者
重量物取扱作業、障害児(者)施設等における介護作業、腰部に過度の負担のかかる立ち作業、同腰掛け作業、同座作業、長時間の車両運転などに従事する労働者(基発第547号)
 
検索項目
医療診察/脊柱の検査(姿勢異常、脊柱の変形、脊柱の可動性および疼痛、腰背筋の緊張および圧痛、脊椎棘突起の圧痛等の検査)/神経学的検査(神経伸展試験、深部腱反射、知覚検査、筋萎縮等の検査)/脊柱機能検査(クラウス・ウェーバーテスト又はその変法)/腰椎のX線検査(原則として立位、2方向撮影は、医師が必要と認める者について行うこと)
 
 

被爆者向け

被爆者向けの健康診断で、被爆者の希望によっては定期健診が年に2度まで受けることができます。そのうちの1回は、がん健診を受診することができます。

検査項目
一般検査(視診、問診、打診、および触診による検査・赤血球沈降速度検査・血球数計算・血色素検査・尿検査・血圧測定・)/肝機能検査(医師が必要と認めた場合のみ)/がん検診(胃がん・肺がん・乳がん・子宮がん・大腸がん・多発性骨髄腫の検診)/精密検査
※がん検診は、受診者の希望で年に一度受けられる。
 
 

その他の健康診断

人間ドック
自覚症状の有無に関係なく、ふだん気がつきにくい疾患や臓器の異常などをチェックするため、個人の判断で検査を受ける「任意健診」。外来や短期入院をして、病院や診療所で身体の各部位の精密検査を受けます。医療保険の対象ではありませんが、労働基準法と労働安全衛生法で定められている健康診断のため、健康保険組合によっては年齢制限(35歳または40歳以上)などの条件を満たせば一定額の補助が出ます。
労災保険による二次健康診断
2001年の労災保険法の改正により、定期健康診断で血圧、肥満、血糖、血中脂質の検査項目すべてに異常がある人は、二次検査や特定保健指導を受けた際の費用が労災保険より給付されます。
この法改正で、メタボリックシンドロームは健康を脅かす要因だと社会的に認められたといえるでしょう。
深夜業従事者の自発的健康診断(労働安全衛生法66条の2)
自己の健康に不安を有する者が、自らの判断で受診した健康診断の結果を事業者に提出した場合に、事業者が事後措置等を講ずることを義務付けるもの。
(1)自発的健康診断の項目は、定期健康診断と同じ項目。
(2)自発的健康診断の結果を事業者に提出することができる労働者は、常時使用される労働者であって、当該健康診断を受けた日以前6ヶ月間を平均して1月当たり4回以上深夜業に従事した方。
(3)健康診断の結果を証明する書面は、当該健康診断を受けた日から3ヵ月以内に事業者に提出しなければならない。
なお、自発的健康診断の結果を提出できる労働者は、特定業務従事者の健康診断の対象者となる。
 
 

関連リンク